■髪(三丕/甘々/短い小ネタ/挿絵1)

「目が覚めたか?」

曹丕がゆっくりと瞼を開けると、そこにはいつもの優しい笑顔があった。

「ああ・・・。」

いきなり三成の髪の毛を梳き始める曹丕。

「どうした?」

少し驚いた様子で三成が尋ねる。

「・・・美しいな。」
「・・え?」
「この髪だ。」
「何を、急に・・・」
「照れているのか?」
「ばっ・・・そんな訳!」
「ふ・・・お前の髪には朝日がよく映える。」
「曹丕・・・。」

無言で三成の髪の毛をさらさらと梳き流す曹丕。
曹丕に好きにさせていた三成が、暫くしてその手を掴む。

「・・・何だ?」
「もう良いであろう?」

そのまま曹丕の指の背に口づけを落とし始める。

「偶には私にも触れさせてくれても良いものを。」
「いつも触れているではないか。」
「?」
「昨夜も散々俺の頭にしがみついていたではないか。かなり引っ張られて痛かったぞ?」

意地の悪い笑みを浮かべながら、曹丕の顔を覗き込む三成。

「なっ・・・!」

途端に昨夜のその情景が脳裏に浮かび、曹丕の頬が朱に染まる。
三成はその様子を口端を上げて眺めつつ、
曹丕の指先を口に含み、わざと音を立てて吸う。

「三成・・・!」

思わず曹丕が手を引こうとするが、強い力がそれを許さなかった。
そのまま再び指先に口づけつつ、
三成は空いた方の手で褥に散る曹丕の髪の束を一房掬い上げ、
今度はそれに静かに口づけた。

「三成・・・?」

訝しげに曹丕が見上げる。

「お前の髪の方が数段美しい。」

そう言うと何度も髪の毛に唇を落とす。

「・・・ふっ」

暫く、されるに任せていた曹丕の口元が緩んだ。

「何だ?」

三成が口づけをやめて曹丕の表情を伺った。

「いや、別に。」
「何だというのだ?」
「何でもない。」
「何でもないことはなかろう?今笑ったではないか。」
「別に、ただ・・・」
「ただ、何だ?」
「ただ・・・お前の様子を見ていたら何故か嬉しくなった。・・・それだけだ。」

そういう曹丕の表情(かお)は、とても穏やかで美しく----------

「曹丕っ!お前という奴は・・・!」
「なっ・・!みつなっ・・・!」

その直後、口づけと吐息、そして衣擦れの音が響いた。

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